第39章 ~拾捌半~CRY2
一度に向かってくる隊長達に、ジリジリと藍染は圧されていく
「....何.....」
「....迂闊だねえ」
「京楽...貴様...」
斬り込んだ京楽が藍染を抑え、冬獅郎が低く呟く
「....終わりだ藍染」
「やはり若い。勝機と見れば謀り無く斬り掛かる。それが君の最大の欠点だ、日番谷隊長」
冬獅郎と話すことで前に意識を働いていた藍染は急に後ろからきた衝撃に顔を歪めた
視線を後ろに向けると、冬獅郎の刀身が柄ギリギリまで自分を突き刺している
「ぐ......」
自らを貫く剣に手をやり、何とか抜こうとするが、冬獅郎はそれを封じる
ギシギシと音を金属音のなる中、やがて刀を握る藍染の手から力が無くなる
「..く.....そ...ッ」
その言葉を残し、戦局はついた
藍染は動かない
隊長達は死闘に臨む戦いの表情から、静かな表情に変わる
「や..やった....」
「やりおった...!!!」
「やってくれたで...!!おう吉良!!
お前ももっと喜ばんかい!いつも通りの辛気臭いカオしくさって!!」
「え...ええ....」
信じられない副官らの傍で、負傷していた雛森桃がフラフラと歩き出す
「お...おいどこ行くんじゃあ雛森っ!?」
藍染が死んだ事を未だ理解出来ないのか、足取りはおぼついていて、伊場の声も聞こえていないようだ
「...やれやれ。ようやく折り返しってトコやな...市丸」
平子は遠くにたたずむギンを見やった
「あーらら...」
ギンが笑みを濃くした
私はというと、未だこの状況が理解出来ずにいた
だってそれは…
「どうして...」
ガクガク震える唇からはその言葉しか出なかった
「サラ?」
「...みんな....みんな..!!」
悲痛な叫びにも聞こえるそれに、皆怪訝な顔を浮かべる
「みんな一体何をしてるのよッ?!」