第39章 ~拾捌半~CRY2
藍染の舌戦に逆上した冬獅郎は、怒りを最大限にぶつける
「...卍解『大紅蓮氷輪丸』!!!....てめえの言うとおりだぜ、藍染。俺の刀に乗ってるのは憎しみだ
俺はここへ戦いに来たんじゃねえ。暴力でてめえを叩ッ斬りに来たんだ」
「...逸るなよ....日番谷隊長」
京楽は苦笑いを浮かべた
「全力で叩き潰す。鏡花水月を遣う暇など与えねえ。...構えろ藍染」
その言葉にも藍染は動かない
「...構えなくても..容赦はしねえぞ!!!!」
冬獅郎と藍染が対峙する中、いつの間に現れたのか、背後から声が掛かり振り返る
「ギン...」
「だいぶ回復したんとちゃう?良かったなぁ♪」
「...私を倒しにきたの?」
「いや?ボクは只の観客...」
ニッと笑うギンに私は眼を細めた
「...アカンわ。君ら完全に藍染隊長の“力”を履き違えてる」
「.......?」
独り言を言うように紡がれた言葉に眉を顰める
「藍染隊長が怖いんは、鏡花水月を遣えるからやない。鏡花水月は恐ろしい能力やけど、それ一つやったら殺されても従わへん奴は山程おる。
あのデタラメな十刃がそれぞれ思惑あれど一つの手段として、形を成し得てたんは、ただひとつ……強いからや」
私は眼を見開く
「藍染隊長の全ての能力が他の誰とも掛け離れてるからや。“『鏡花水月』に用心する”?あかん、不用心や。“他の全てに用心する”?あかん、まだ不用心や。
空が落ちるとか、大地が裂けるとか、君らの知恵を総動員してあらゆる不運に用心しても、藍染隊長の能力は、その用心の遥か上や」
まさか………
咄嗟に視線を戻す
すると、視界に拡がった光景にに言葉を失った