第39章 ~拾捌半~CRY2
「私を護って戦う...?何言ってるの...」
突然の発言に困惑する
「藍染はお前を欲しがっている。そんなヤツにみすみす渡す義理はねぇ…今のお前は霊力を回復することに専念しろ」
「………でも―――」
「でもやない」
その声に真子を見る
「霊力を吸いとられても今のオレ達の霊力より遥かにサラのが高い…藍染に勝つにはサラの力が必要や」
黙っていると、春水さんの手が私の肩に置かれる
「大丈夫、サラちゃんの月華はちゃんと取り戻す」
「サラは此処にいる誰よりも意志がある。心の意志や…せやからオレらはサラと闘う。一人で背負うな。これはオレら"全員の戦い"や!!」
その声を筆頭に冬獅郎が斬りこむ
「随分と考え無しに突っ込んでくるね。命知らずな事だ。日番谷隊長」
「誰かが斬りこまなきゃ始まらねえだろうが。機を失わせるのもてめえの術中だ。褒めといてやるぜ。一太刀目に鏡花水月を使わなかった事はな!!!」
「こちらこそ褒めておくよ、一対一で向かって来ない聡明さはね」
「卑怯だって言いたいのかい、藍染隊長」
「そう聞こえたなら訂正しよう、京楽隊長」
「冬獅郎・・・・春水さん・・」
次々に藍染へと斬りこんでいく隊長達、私は祈るようにギュっと拳を握った
「藍染。てめえ言ってたな。”憎悪無き刃は翼無き鷲だ。
責任感で振る刃は自分には届かない。”知らねえようだから教えといてやるぜ。
責任だけを刃に乗せて刀を振るのが隊長だ。憎しみで刀を振るのは薄汚れた暴力だ。俺達はそれを戦いとは呼ばねえ。
...藍染。やっぱりてめえは隊長の器じゃなねえんだよ」
「...面白いね。護廷十三隊の隊長の中で最も私に憎しみを持つ君の言葉とは思えないよ。君が構えたその剣に憎しみは無いとでも言うのかい?
それとも、雛森君が回復して現世に来た時点で、君の憎しみは消えてしまったのかな」
その瞬間、藍染を京楽の一撃が襲うも、藍染は回避する
「酷いな。話の途中だぞ、京楽隊長」
「相手が男だと、どうも聞き上手になれなくてね。聞いてるだけじゃヒマなのよ」