第4章 ~参~BE LOVED
「おいっ!?まだ寝てろ。無理すんな...」
海燕さんは私を寝かそうとするが、私は頑なに拒み海燕さんの死覇装を握る
「無理してるのは海燕さんじゃないですか…すみません私…都さんを救えなかった…辛いのは海燕さんなのに…」
「...なに言ってんだ...バカ...」
俯いて今にも泣きそうに震える私を抱きしめ、海燕さんは何度も私の頭を撫でる
「サラ…オレは都を五体満足で連れ帰ってくれたオマエに感謝してるんだ。
オマエが居なかったらオレは都の姿を見る事が出来ず、一生後悔した…サラ、都を助けてくれてありがとな」
「どうして…貴方はそんなに……」
私がこんなんだから...
私のせいで彼は泣けない
「...ごめんなさい」
「だから...謝るんじゃねーよ...」
私は涙を流ししがみついた
そんな私を泣き止むまで優しく抱きしめ続けてくれた
そして落ち着いた頃、私は口を開いた
「…海燕さん。討伐に行かれるのでしょう?…私も連れていって下さい」
「能力が分からない以上、オマエを危険に晒す訳にはいかない。オマエは充分やってくれたよ」
「確かに対峙した私も能力までは解りませんでした…でも何もしないなんて――」
「……オメーまで失いたくねぇんだよ……」
「え……―――」
その言葉が聴こえた途端、サラは海燕に首を突かれ意識が遠のいていく
意識を失ったサラを優しく寝かせると、
「悪ぃな…連れていく訳にはいかねーんだ…」
額に唇を落とし部屋を出ていった
虚を討伐…敵討ちをしに――