第4章 ~参~BE LOVED
「…全滅だそうだ。彼女の部隊は…」
十三番隊救護室に運ばれてきた都を見て海燕は絶句した
「データ採取の前に全員が絶命した為…虚の能力は不明…現在討伐隊を編成中だ。二日以内には…」
浮竹の話も聞かず、海燕は走り出す
「待て海燕!!抑えろ!まだ敵の能力もわかってな…」
「じゃあ何ならわかってんスか!?名前も能力もわからない…討伐隊に任せて…オレはここで… 」
浮竹の言葉を遮って海燕の悲痛な叫びはか細く部屋に響く
「...サラが現場から調べてきてくれた…わかっていることが二つだけある。
一つは奴が移動型ではなく一箇所に巣を作りそこに留まって捕食する常駐型の虚だという事、そしてもう一つは――
その棲み処だ」
「サラは…?」
「あんな状況下で現場を調査し志波三席を連れ帰ったんだ…かなりショックを受けていてな...部屋で休ませている」
海燕は浮竹の言葉を聞くやいなや、頭を下げるとサラの元へと向かった
―――――――
部屋に着くとサラは眠っていた。苦しそうな表情に海燕は思わずサラの頬を撫でる
「ん…海…燕さん?」
「悪りぃ。起こしちまったか」
汗で張り付いたサラの髪を掬うと、何度も撫でる
サラは次第に意識がはっきりしたのか、突然焦るように身体を起こした