第39章 ~拾捌半~CRY2
もう…嫌だ…
固く眼を閉じたサラは一気に開眼する
「藍染......!!!!」
そう叫んだ直後、霊圧が一気に跳ね上がる
反膜の中、霊力を吸い取られていく
だが、サラの霊圧の絶対量は段々と増して行き、反膜が揺れる
全員が此方に視線を移した瞬間、反膜が砕け、霊膜の檻から脱する
「サラッッッ!!!」
サラは膝から崩れると、荒い息を繰り返した
冬「反膜が解けたのか?」
平「いや、サラの霊力があの檻の力に勝ったんや…斬魄刀もナシにホンマすっごいヤツやで」
平子はサラの近くで佇むギンに目線を合わせる
「サラ、出てきたトコ悪いんやけど、ちと遅かったなぁ…霊力だいぶ吸い取られとるみたいやし後はオレらに任せとき」
「み…んな………」
私はまだ整わない息を付きながら立ち上がる
「刀が力が無くとも闘える…」
冬「サラ、無理する…」
「貴方達は闘っているじゃない!?こんなにも命を懸けて…」
平子はサラの強い眼差しにまだ燻っていない闘争心に勝機を感じる
大きくぞんざいに息を吐くと、サラに頷いた
それを承諾と捉えた私は藍染を見据える
「斬魄刀も無く何の防御も施さず、戦いに臨むのかい?」
「返して貰うわ…貴方にその刀は似合わない」
私は藍染の腰に差してある月華を見つめると間合いを取った
「...何故そう間合いを取る?確実に当てたいならば、近付いて闘うべきだ。それとも近付く事で私から逃れられなくなるのが怖いか?」
「逃れる?私は自分の意思で貴方の元から去ったの…しつこい男は苦手なの」
「...言っだろう。お前は私のものだ。間合いが意味を持つのは対等の力を持つ者同士の戦いだけだよ。私と君の間には間合いなど何の意味もない」
次の瞬間、目の前に藍染の顔が迫り、一瞬で息を感じる位に迫られる
「ほら、こうすれば今すぐにでも掻き抱くことも簡単に出来る」
藍染が腰を引き寄せるより早く、私は手に霊圧を込め藍染に放つ
するりと躱し、離れたところを隊長達が取り囲んだ
私から藍染を離すように、庇うような陣形から冬獅郎の声が届く
サラ…俺達がお前を護って戦ってやる