第38章 ~拾捌~CRY
「内緒♪」
その言葉に息を飲む
「ホンマのコト解ってもうたら面白ないやろ?…そやから、内緒」
「っ………」
いつもの様に笑みを貼り付けるギンの笑顔は私を牽制し拒むように見えて
胸が痛いくらいに苦しくなり、私は拳を握りしめた
「一個だけ答えたろか?」
長い長い沈黙の後、最初に口を開いたのはギンだった
私が駄々っ子のように其処を動かなかったからなのか、黙って困らせたのか…
真意はどうであれ、ギンのことを理解出来るのであれば何だっていい
私は黙って頷いた
「何故藍染さんがボクを選んだと思う?」
急な質問に答えをあぐねいていると、ギンがクスリと笑った
「ええて、そんな悩まんでも…それはな、ボクがボクの役割を理解してはるからや」
「………?」
「死神がどうとか、破面がどうとか ボクにとっては関係無い
どうせ、その時にはボクはこの世にはおらへんやろうし」
「―――――!!」
「サラちゃんやキミらはボクが分からんて思うとるけど、それって感情が読み取れへんて事や
...確かに、ボクには必要もない。物事を理解し、それも基づき思考する能力は必要やけど、そこに感情なんか必要やない」
「ギンはそれでいいの?もしかしてギンは…」
藍染をー
そう言おうとした時、ギンの瞳が開かれ、紅い色が私を射抜く
それ以上は…
悲哀を受け入れるその色を見つめていた私は言葉にならないまま見つめ続けた