第37章 ~拾漆半~SHAKY2
サラを宮へと戻したスタークは、黙ったままサラの手を掴み、引きずるようにして引っ張っていく
「やだ…スターク離して!!一護が…グリムジョーが…お願いっ離して…」
「...面倒臭え」
そう言ってスタークは溜息を吐くとサラを肩に抱える
「やだ…離して…!!」
「ったく暴れんな…お前のお陰で俺の目覚めは最悪だ。藍染様に呼ばれれば、虚の時の俺に戻るじゃねーの」
「………!?」
「面倒臭えことこの上なしってやつだ。お陰でこっちはいい迷惑だ。だからさっさと終わらせてえんだよ」
「スターク…」
スタークはサラが少しおとなしくなったのを確認すると、眉を寄せてまた溜息をついた
「俺はな、戦うのが嫌いなんだよ」
「!!」
「今でこそ破面だの十刃だのになってるが、元を正せば俺も虚なワケだ。生き残るために他の奴らを食ってきた。...そん時の俺は正直思いだしたくねえ。
戦いなんてのは皆全部狂わしちまう。俺も狂ってた」
そういうとサラを抱え直し、姫抱きにする
「...いや、違うな。俺は何も考えちゃ居なかった
俺は藍染の死神化という言葉に、正しく何も考えずに喰いついた。虚って存在から抜け出そうと必死になってた癖に、やってた事は虚以下ってわけだ。...全く...笑わせるぜ」
私はギュッと目を瞑るとスタークの首に抱きついた
「お前は…出来るだけお前でいろ。...俺には出来ねぇから」
私は震えを止めるように、藍染の所に着くまでスタークにしがみ付いていた