第37章 ~拾漆半~SHAKY2
現れたノイトラと一護が対峙する中、私は倒れたグリムジョーの元へと走った
「グリムジョー...」
その声に反応したのか、グリムジョーが薄っすらと眼を開ける
「サラ………」
「…死なないで」
一瞬、眼を見開いたように見えたグリムジョーが舌打ちをする
「…テメーは死神だろうが...虚の心配なんかしてんじゃねー…」
それでも不安げな瞳を向けてくるサラに、グリムジョーは小さく息を付いた
「…ったく………最大戦力で戦えばオレに勝てるって思ってる一護を、ぶっつぶしてやれば…イラつきも収まると思ったが」
私は眉をピクリと動かした
「オレはアイツが気に入らねぇ…だが上から俺を見下すような眼をする奴は...もっと気に入らねえ...どいつもこいつもそんな眼をしやがって…」
グリムジョーは自分の飼主になった男を思い出す
「けど…テメェは…」
「……?」
「曇りのねぇ驕りのねぇ眼差しを向けてくるテメェは…オレを虚じゃなくする」
「グリムジョー…」
「オレは虚、十刃グリムジョーだ…」
グリムジョーは静かに目を閉じた
「っ……」
私は咄嗟に月華に手をかけた
するとそれを制するように、急に腕を掴まれる
「!?」
「悪ぃな、命令だ」
「スターク…?」