第37章 ~拾漆半~SHAKY2
一護は直ぐさまサラの元に向かう
「…ケガ…してねえか?サラ……」
サラが一護の名前を呼ぶ前に一護が優しく尋ねた
その表情を見たサラは目を丸くする
「ありがとう…一護」
サラは笑みを浮かべた
それは久しぶりに見せた笑顔だった
「!!」
一護がその笑顔に思わずサラに触れようとした瞬間、霊圧を感じた後ろを振り返る
「はっ…はっ……はっ…」
後ろには血まみれのグリムジョーが虫の息になりながらも一護を睨み据える
「グリムジョー…もう...」
「はっ…はっ…敗けるかよ…オレが…オレがテメーなんかに…敗ける訳が無えんだ!!」
「…もう止めろグリムジョー…テメーの敗けだ。テメーが王だか知らねえが…気に喰わねえ奴を片っ端から潰して一人だけで王になってそんなもんの何が楽しいんだ!?
オレのことが気に喰わねえなら何回だって戦ってやる…だから今はもう止めろ!」
「ふざけんな!!テメーは…ズリィんだよ!!!!」
グリムジョーはそう叫ぶと一護に向かって走りだした
「やめて…もうやめて…グリムジョー!!!」
グリムジョーは寸前で振り上げた手を止める
「……?テメー何で攻撃を…」
「オレが知るかよ……サラの声が聴こえた瞬間、何でか動かなくなったんだよ…テメーを殺れるチャンスだったのによぉ…」
「グリムジョー…あんたまさかサラのコト…」
「…だからズリィんだよ黒崎一護…死神のテメーがな」
「…んなコトねーよ。サラはアンタを否定しない…だろ?」
「ああ…」
グリムジョーはクッと笑うと体がよろけた
その瞬間大きな鎌の様な刃がグリムジョーの肩を切り裂き、血飛沫が飛んだ
「なっ!?」
「グリムジョー!!!」
「…ぐ…」
「往生際が悪りィんだよ。雑魚は雑魚なりに、さっさと死ね。この死神はオレが貰ってやるからよ」
躊躇なく斬り不敵に嗤う長身の男ノイトラが一護の前に立ち塞がった
「ノイトラ…テメー…」
グリムジョーはゆっくりとその場に倒れた