第37章 ~拾漆半~SHAKY2
そして二人は激突した
凄まじい攻防を私は胸の前で手を組み祈る様に見つめた
「どうやら…その仮面状態の保持時間は延びてるらしいな!?前回の戦いから訓練したのかそれともここまでの戦いでの無意識の上達か…
どっちでもいいが何よりだぜ。こないだみてーにすぐに仮面が割れてちゃつまんねえからな!!」
一護を捕らえたグリムジョーは右手を構え振り下ろすが一護に掴まれる
「仮面が割れたら…つまんねえだと…?笑わせんな」
凄んだ一護は一太刀浴びせグリムジョーの胸から血が噴き出す
「…こっちのセリフだぜ。つまんねえから…その解放状態解くんじゃねえぞ!?」
グリムジョーの一言で再び激しい攻防戦が始まった
一護は間合を取ると肩で息をする
「…どうした?息が上がってるぜ。ま …人間のてめえがこのオレと対等にやりやってんだから仕方ねーか」
笑うグリムジョーを前に遂に一護の仮面にヒビが入る
「…仮面の方も限界か」
「…限界だと?誰がだよ」
一護は仮面に触れると自力で仮面を修復した
「…しぶといな。そうでなきゃいけねえ」
「……お前こそ相当ガタがきてるように見えるぜ」
「…悪りィな…そいつは見間違いだ!!!」
サラは自分の体を抱きしめる
ダメ……
二人とも無理してる
力や体力ではなくて心の奥に感じる感情に…
「一護……グリムジョー…」
サラは祈る様に目を閉じた
暫く戦っているうちに一護の仮面は崩れ落ち、グリムジョーもまた痛手を負っていた
グリムジョーの攻撃をまともに食らった一護は壁にぶつかり体勢を崩す
「…どうやら本当に限界らしいな…」
グリムジョーは一歩一歩を噛み締めながら一護に近寄る
「…終わりだぜ」
「死なないで一護!!」
絶体絶命の瞬間にサラの声が辺りに響き、一護は目を丸くしてサラを見上げる
「…勝たなくていい…頑張らなくていいから……もうこれ以上ケガしないで…」
そう言ったサラの声は震え瞳は揺れていた
サラのそんな顔を見た一護は息を飲む
その言葉に眉を潜めたグリムジョーはいきなり攻撃する
しかし不意打ちにもかかわらず一護は素手で止めた