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月に泣く~BLEACH~

第37章 ~拾漆半~SHAKY2


…物凄い霊圧…
二種類の禍々しい霊圧が一護の傷を覆って渦巻いてる…


一護の頬に触れる


「(冷たい…)…ごめんなさい一護…すぐに治すから…」


私は瞼を閉じさせると治癒を始めた


「…誰がこんなこと……」


「…ウルキオラだ。奴のやり口で奴自身気付いてるかどうかは知らねえがな、気に入った獲物には自分と同じ場所に穴をあける」


私はじっと胸の傷を見つめる


「思い知らせてやる…!!オレの獲物に手ェ出すことがどういう報いを受けるのかをな!!」


暫くすると一護の手が微かに動く


「……う……サラ……?」


「一護……」


一護は目を開き私の名前を呼ぶ。私一護の手を握ると安堵した様に一護の名を呼んだ


その穏やかな声に、自分には向けられた事のない優しい瞳にグリムジョーはつい声を荒げる


「…うるせえぞ!!喚くヒマがあったらさっさと治せ…!」


「!お前…グリムジョー…何でテメェがサラと…」


一護は目を丸くしてグリムジョーを見る


「テメェも黙って治されてろ!オレは無傷のテメェとケリつける為にここに来たんだ」


「グリムジョー…」


「うるせえって言ってんだ!!死にかけてんのを治させてやってんだ!文句言うんじゃねえ!!」


グリムジョーはサラの言葉を遮り怒鳴り出した


「急げよ!!いずれ気付いたウルキオラがここへ戻って来る!!その前に――」


しかし突然感じる禍々しい霊圧にハッとし、慌てて後ろを向いた


「ウルキオラ…テメェ」


「何をしている…グリムジョー」


現れたウルキオラはグリムジョーの前に立つ


「………」


「どうした?俺が倒した敵をわざわざ治して何のつもりだと聞いているんだ」


それでも答えないグリムジョーからサラに目線を移す


「…まぁいい。サラは市丸がいない時は俺がみるように藍染様から言われている。渡せ」


「断るぜ。テメーだって命令無視してやがるんだからオレがテメーの言う事聴く必要はねーよなぁ?」


「何だと?」


「お姫様一人連れ去られたコトも気付かねーとはとんだ騎士だな!?」


「…いい加減にしろ。サラは藍染様のモノだと言った筈だ」


「本当にそう思ってんのか?」


グリムジョーの言葉にウルキオラは眉を寄せる


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