第36章 ~拾漆~SHAKY
「…左腕の借りだ」
グリムジョーはぶっきらぼうに応えると恥ずかしいのか舌打ちをして続けた
「ただ助けに来たとでも思ったのか?甘えんだよ。テメーへの借りは返した。これで文句は言わせねえ...次はオレの用事に付き合ってもらうぜ」
グリムジョーはニヤリと笑い私を見る
私はふと視線を逸らすと、グリムジョーの腰に二本の斬魄刀が差してあるのに気付く
そしてその一本に目を見張った
「それ…」
「あぁ…ほらよ」
乱暴に投げられた斬魄刀は紛れもなく月華であった
「どうしてこれを…」
「必要だったからな。鍵ぶっ壊して取ってきた…オラ、早く行くぞ」
歩き出したグリムジョーに私は声を掛ける
「…何だよ」
「この子達を治すから少し待って」
ロ「―――!!!」
「あぁ!?何でテメーをリンチしてたヤツを助けなきゃなんねーんだよ!?」
「関係ないわ…」
その言葉にグリムジョーは眉を潜める
「そんな事関係ない。人を助けるのに理由は要らないでしょう?」
サラはそう言うと形を留めていないメノリを治していく
「ぁ…あ…何よそれ…」
最早治すという言葉は当てはまらない行為に、ロリは気味悪がりグリムジョーは驚きを隠せない
サラはロリの足も治すとグリムジョーと一緒に部屋を出ていった
「何よあの女…化け物じゃない…」
ロリは眠っているメノリを前にポツリと呟いた