第36章 ~拾漆~SHAKY
「…確かに霊圧は感じられへん。けどサラちゃんは見ても無いものを信じるん?
サラちゃんが信じへんかったら助けに来た彼らこれからどないすんの」
「……でも…」
「そんな暗い顔見せはんの?サラちゃん今までで一番ヒドイ顔してんけど、ボクやったら助けに来たお姫様がこんな顔しとったらイヤやなぁ」
「……ギン…どうして…」
「慰めとる訳やない。ボクがイヤや…」
「………ギン…」
ギンはニッと笑うとサラから体を離し頭をポンポンと撫でた
「さっきよりエエ顔になったなぁ?」
「……ありがとギン…」
「構へんよ、むしろ役得や♪」
サラは微かに笑みを含んだ困った様な表情をすると次の瞬間には真剣な眼差しでギンを見つめた
「ギン…一護と誰が戦ったか分かる?」
「…敵討ちでもしはるの?」
その問いにサラは首を横に振った
「…一護は負けてない。だから敵討ちなんてしないわ…でも知りたいの。一護と戦った者は心を持つから…」
「……カメラに映ってるやろから視てきたるよ」
「なら私も――」
「サラちゃんは大人しゅう待っとり…エエね?」
サラがコクリと頷くとギンは部屋を出ていった
「心……ね…」
ギンはサラの言葉を思い出しながら制御室へと足を速めた