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月に泣く~BLEACH~

第36章 ~拾漆~SHAKY


自室に戻った私は急に身体から力が抜けていく様な空虚感に襲われる


「うそ……いち...ご……?」


ルキアやチャドの時も同じ様な感覚に襲われたが、今回は比では無かった


一護の霊圧が微塵も感じられない―――


私は立っている事もままならず床にへたりこんでしまった


どうして
どうして
どうして―――


私は息が乱れ胸を押さえ踞る
だが急に自分の周りに酸素が無くなったかの様に上手く呼吸が出来ない


意識が朦朧とし始めた時、扉が開いたかと思うとギンが入ってくる


そして私の様子を見るや否や、私の顔を上げ口付ける


「……ギ……ン…?」


「ええから黙っとき」


ギンは再び口付けたかと思うと息を吹き込んだ
それを何度か続けるうちに私の呼吸の乱れが無くなっていった


「…もう大丈夫そうやね」


ギンはそう言って唇を離すと私を抱き締めた


「何で過呼吸なんか…」


その言葉にサラはギンの腕から離れようと力無く暴れだす


「離して!!一護が…一護が!!」


「………ホンマや、霊圧消えてもうたね」


霊圧を探ったギンはポツリと呟く


「一護の所へ行かないと…ギン離して!!」


ギンはより力を込めて私を抱き締め離そうとしない


「離さへんよ…それに行ってどないすんの?斬魄刀持たへんのに、もう治癒霊力でもアカンの解ってるやろ」


「そんなの…そんなの解ってる…それでも私は――」


次第に弱まる力にギンは優しく頭を撫でる


「落ち着き…目ェ閉じてゆっくり深呼吸しぃ…」


頭の中に染み込む様な囁き方に私は少しずつ冷静さを取り戻していく


「エエ子やね…そのまま聴いて」


ギンは赤子をあやす様に私の背中を一定のリズムで叩きながら耳元で話した

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