第36章 ~拾漆~SHAKY
藍染の自室――
部屋の中のサラには、外の霊圧を探る余裕などなかった
荒い息を整えることも出来ず、自身の胸の鼓動が耳の奥に響いてくるのを、ただ聞いていた
「…大丈夫かい?」
藍染は腕の中で、ぐったりとしているサラの髪を優しく撫でる
情事後の怠い雰囲気が、二人を包んでいた
「……平気…」
サラは掠れた声で、かろうじて答える
藍染は微笑むと自身の胸に、上気して汗ばんだサラの頬を寄せた
「最近なにか変わったことはなかったかい?」
「…ぇ?」
藍染の思わぬ言葉に、顔を上げる
「グリムジョーが、君にご執心だという噂を耳にしてね」
「…………」
「他にもギンやウルキオラ…挙げたしたらキリがないな」
藍染はクツクツと笑いながら話す
「……まさか」
藍染の言葉を否定する
確かにギンには少し甘えているかもしれない
だがグリムジョーは…ただの気まぐれだったと思う
あれから部屋には一度も来なくなった
「…そうなのかい?」
藍染はサラの唇に指を這わせ、しばらくその弾力のある感触を楽しんでいた