第36章 ~拾漆~SHAKY
蹴り飛ばされた一護は再び壁を突き破り宮に逆戻りしてしまう
踞る一護にウルキオラは静かに近寄ると一護はウルキオラを睨む
「いい目だ…お前の瞳には怒りと憤り、そして恐怖が映し出されている
穢の無いその瞳…少し目障りだ。志し半ばで死を迎えるのは忍びない事だが俺に出会ってしまった以上仕方の無い事…諦めるんだな?
呪うなら俺ではなく俺に出会ってしまったお前自身を呪うんだな」
ウルキオラはなす術なく見上げる一護に無情にも手を振り上げ一護を刺した
「……サラ………!!」
心臓に到達しなかったものの肋骨にウルキオラの手が届く
一護の口から血を零しながらサラの名を呼ぶ
「…そこまでして尚、サラの名を呼ぶか。お前にとってサラの存在はかなり大きいようだが…サラは藍染様のモノだ」
「違う……サラはモノなんかじゃ…ねぇ!!だから…藍染の好きにはさせねぇ!!」
「…やはり面倒なものだな。諦めろ死神」
ウルキオラは立ち上がり踵を返す
「待てよ…知ってるぜ…ウルキオラ……テメェが…十刃のトップなんだろ……なら諦めねぇ!!お前を倒せばこの戦い勝ったも同然じゃねぇか!!」
無理矢理上体を起こす一護の発言にウルキオラは振り返る
「そうか…そいつは残念だったな」
そしての上着のを下げ左胸を一護に見せるとその胸には"4"と書かれていた
「…4……だと……!?」
飛び込んできた数字に一護は息を飲む
「ああ、第四十刃ウルキオラ・シファー…十刃内での力の序列は四番目だ…黒崎一護、お前が俺達を斃す事は無い」
ウルキオラはそう言うと響転で一護との間合を詰め先程一護の鎖骨下に空けた傷口により深く手を刺した
「例え俺を斃せたとしても俺の上には更に三体の十刃…お前が千度立ち上がろうと……お前達の前に勝利はない」
ウルキオラが手を抜くと一護はゆっくりと倒れていく
「どうやら俺はお前を買い被っていたらしい…お前の進化は俺の目論見には届かなかった。ここまでだ お前がその体で未だ動けるならすぐにここから去れ、動けないならそこで死ね
お前の道はここで終わりだ死神」
ウルキオラはそう吐き捨て出口に向かった
一護は目を見開いたまま、二度と動く事は無かった