第35章 ~拾陸半々~INVADE3
白く長い廊下
得体の知れない何かに苛立ちながら自宮へ戻っていると、道の途中、ウルキオラがグリムジョーを待ち構えていた
「…あ?第4十刃様がオレになんか用かよ?」
「…貴様、今迄何処へ行っていた?」
廊下の白い壁に背を預け、無表情なままウルキオラが何処か鋭い刃を含ませた言い方で詰問する
「オレが何処に行こうが、テメェには関係ねーだろ」
「……大体の予想はついているがな」
「あ?そりゃどうゆう意味だ」
「言葉のままだ。解らないのか?」
一瞬、互いを値踏みするかのような張り詰めた緊張が空間を疾る
グリムジョーは仮面がついていない方の頬に、ピリピリと電気が触れるのを感じた
「……まぁいい。それより藍染様がお呼びだ」
「…あ?」
「用件は伝えた…さっさと藍染様の所へ顔を出せ」
それだけ言うとウルキオラはオレをすっと通り越し、颯爽と歩いて行ってしまった
―――…藍染だと?
一瞬、サラの顔が頭に過り、ギリと奥歯を噛み締める
「グリムジョー」
背の方向に顔を向けると、長い廊下の途中でウルキオラが此方に振り返り、冷ややかな視線をオレに送っていた
「…まだ、何か用かよ」
「サラは藍染様のものだという事を忘れるな」
「――――!!」
「もっとも…お前のその調子だと充分に理解はしているようだがな」
「…テメーこそいつの間に名前で呼ぶようになったんだよ」
ウルキオラは一瞥すると黙ったまま去っていった
「ちっ、クソが!!」
ウルキオラが見えなくなった所で、グリムジョーは思いきり壁を拳で殴りつけた