第35章 ~拾陸半々~INVADE3
それから暫くの間、鎮圧が続いていた
虚夜宮内はとてつもなく広く、十刃落ちを倒した一護達も傷を負ったりしていて未だに距離は縮まっていなかった
一護達の侵入によってギンも仕事が増え、以前よりサラの元へ訪れる回数が減っていた
それによりロリ達は藍染やギンの目を盗んではサラを痛め付けに現れた
「じゃあまたね♪」
捨て台詞と共にロリ達は扉の向こうへと消えていった
扉が閉まる音が響き、私はおもむろに壁に体を預けるとそのまま寄り掛かる
「…早く治さないと」
暫く静寂に包まれていた室内で荒い息だけが響いた
「メノリ早く!!早く行かないと藍染様が感づいちゃう――」
焦って廊下を走るロリは前から来た人物に気付かずぶつかってしまう
「痛っ…誰だ――…グリムジョー!!」
「ああ?何だテメーら。あっちはあの女の部屋だろうが」
「はぁ?何言ってんの?てかアンタには関係ないじゃん!!」
「ロリ早く!!」
「チッ…」
ロリ達はグリムジョーを睨むと走り去った
「ムカつく野郎だ…」
再び歩き出そうとしたグリムジョーはふと足を止める
そして方向を変え歩き出した
私は近づく霊圧に深く溜め息を吐き、立ち上がる
するとすぐ様、ノックする事もなく不躾に開かれた扉からグリムジョーが入ってくる
「どうしたの?」
「…別に」
「お茶…飲む?」
それ以上何も言わないグリムジョーに少し困り、私は奥へと歩き出す
すると突然手を掴まれ、驚いてグリムジョーを見る
「…何でケガしてんだよ?」
「ぇ…」
突然グリムジョーが現れた事で、まだ手の甲の傷を治せていなかった