第34章 ~拾陸半~INVADE2
「何も睨むコトねーだろぅ?止めは刺してねぇし…それに弱いなんざ言われなきゃオレは動かなかった」
「―――!!!」
「オレを動かしたのもヤツの死期を早めたのもお前だサラ…」
その言葉にサラは抵抗をやめ、瞳には哀しみが宿る
「いいねぇその表情!!欲情しちまうじゃねぇの…」
そう言うノイトラはサラの頬をペロリと舐めた
「オレの優しさでヤツは助かる可能性が出来た…オレに感謝しな」
サラは抵抗する事なくノイトラから目を逸らした
「フッ…ヤツ等のコト思い出せねぇくらい気持ちよくしてやるよ…」
ノイトラは妖笑しサラの服に手をかけたその時、ある人物の声が届く
「あら~ノイトラちゃんやないの」
振り向くとギンが腕を前に組みながら此方に歩いてくる
「市丸…」
「こんなトコで何してはるの?」
「フン…見りゃわかんだろーが」
ギンはサラに一瞬目をやると笑みを貼り付けた
「分からんなぁ?ボク頭悪いから」
「テメー…何しに来た」
「あぁそやった。藍染様が呼んではるよ」
「なっ……!?」
「そりゃ自宮で待機って言われてたんやもん、当たり前やろ?」
ノイトラがサラから手を離す
「早よ行った方がエエな、ボク道に迷ってココ来んの時間掛かってもうたから」
ノイトラは舌打ちするとその場を去っていった
ギンは私の前に立つと私の上着を整えた
「嘘つき…」
「ん?」
「迷う筈無いのに…」
「あぁ、ボク冗談好きやから♪」
「……ありがとギン」
「手ェ…赤ぅなってる…」
ノイトラに力強く掴まれた手首は赤くなっていた
「...これくらい平気」
ギンはおもむろに私の手を口元に運ぶと息を吹きかけた
「ギン?」
「冷とうて気持ちエエやろ?…今度はちゃんと治そな?」
「……はい」
サラは自分の腕を見つめると小さく頷いた