第34章 ~拾陸半~INVADE2
部屋に戻ってからずっと天窓から降り注ぐ月明かりを見つめていた
「入るぞ」
戸を叩く音と声が聴こえウルキオラが入ってくる
「…なぁに?」
「侵入者の一人、茶渡泰虎が倒れた」
その言葉に私はチャドの霊圧を探る
「ノイトラの馬鹿が逸ったらしい…自宮で待てと命が下っていたものを」
「……チャドは死んでいないわ」
「だがじきに死ぬ」
「死なない…絶対に」
サラは哀しそうな瞳でウルキオラを見る
「何と言って欲しいんだ俺に“心配するな、きっと生きている”とでも?解らんな。何故そこまでして生き死ににこだわる?」
「…………」
「いずれにしろ程無くお前の仲間は全滅する。それが一人早まったからといって何になるんだ。こうなる事は初めから解っていた筈だ」
「やめて…」
「出来なかったとすればその責任は奴等の愚かさにある。莫迦な連中だと笑えば済む話だ」
「…確かに莫迦だと思うわ。私なんかを助けに来て…でも愚かとは思わない」
「俺なら自分の力量も測れずこの虚圏に来た奴等の愚害に怒るがな」
その瞬間、私は手を振り上げる。そしてウルキオラの頬を叩こうとするが寸での所で止めた