第34章 ~拾陸半~INVADE2
海燕殿申し訳ありません…
どうやら私は此処までのようです
私にはもう剣を振る力は残っていません
海燕殿の体に向かって剣を振る力など…
さようなら海燕殿…
さようなら
ルキアは薄れゆく意識のなか、昔の事を思い出していた
「―――心ってのはドコにあると思う?」
「それは…この辺ではないですか?」
ルキアは胸に手を当てた
「多分な、心ってのはココにあるんだ」
海燕は自分とルキアの間を指差す
「俺とお前が触れ合う時…心は初めて俺達の間に生まれるんだよ。心は体の中にはねぇ
何かを考える時、誰かを想う時、そこに心は生まれるんだ」
「………」
「お前がこれから戦ううえでしちゃいけねぇコトが一つある。それは“一人で死ぬこと”だ」
「一人で?」
「俺達は死ぬと塵となり霊子は地に還り尸魂界を形創る。その時、心はどこにいく?
心は仲間に預けていくんだ。仲間に預ければ心はソイツの中で生き続ける。だから朽木…お前は一人で死ぬな」
その瞬間、ルキアは自分を貫く槍を掴む
「…まだ意識があるのか。哀れだな」
「思い…出したのだ」
「何ぃ?」
「参の…舞…白舟!!」
震える手で握った柄をアーロニーロ向け解号した途端、アーロニーロの頭部を貫いた