第34章 ~拾陸半~INVADE2
ニッコリと笑いながら話す海燕にルキアは言葉を返さない
「今度は冗談とは仰らないんですね…当然ですよね?仲間を差し出せなど冗談で言う筈がない海燕殿を……侮辱するな!!
お前が海燕殿であるわけがない…私が、誰もが尊敬した海燕殿がそんな事言う筈がない!!」
ルキアは斬魄刀に手をかける
「おい待てよ朽木、俺は海燕――」
「その名を二度と口にするな!!舞え【袖白雪】!!!」
ルキアは斬魄刀を解放し海燕に斬りかかる。激しい攻防の最中、海燕はフッと笑みを漏らした
「あーあ、腕が上がったとはいえこんなもんか。忘れてねぇか朽木…お前に戦い方を教えたのは俺だ
袖白雪の技も俺の目の前で編み出した。そんなもん通用しねぇ!!水天逆巻け【捻花】」
解放した途端、水を纏った長槍に変化する。それは紛れもなく海燕の斬魄刀…ルキアは目を疑った
(海燕殿の斬魄刀!?そんな…いくら頭で否定しても心が海燕殿と訴える…)
「終りだ朽木」
止めを刺されそうになった瞬間、壁の一部が崩れ光が差し込む。すると海燕は後退し闇へと隠れた
(何故だ…私を殺すなら今が好機だった…光?)
その事に気が付いたルキアは鬼道で壁を破壊し、途端に部屋に光が射し込み海燕に降り注ぐ
海燕は叫び声を上げみるみる顔が溶けていく
《チッ…剥ガレテシマッタカ。ショウガナイ、改メテ自己紹介スルヨ。俺ハ、アーロニーロ・アルルエリ》
「な…何者だ…貴様」
《何度モ言ワセルナヨ…アーロニーロ・アルルエリ ダ》
アーロニーロは影のある所へ降り立つとまた海燕の姿に変化する
「どうしてギリアン級の俺が十刃か分かるか?それは俺が無限に進化する虚だからだ
本来この能力は志波海燕と融合した虚 メタスタシアの能力…虚圏へ戻った霊体をこの俺が喰らった事で手に入れた!!」
「喰らった…だと!?」
するとアーロニーロの手が触手のように変化した
「俺の能力は死した虚を喰らって力と霊圧を我が物にする力…コイツは志波海燕の体で帰って来た奴をその体ごと喰って手に入れた力だ!!」
その言葉に動けなくなったルキアの体をアーロニーロは一瞬で貫いた