第34章 ~拾陸半~INVADE2
いきなり斬りつけられたルキアは動揺する
「昔のお前なら今の一突きで死んでいた…嬉しいねぇ、部下の成長は上司の喜びだよ」
「どうして…何処までが本当なのですか…」
「全てだよ。俺がお前を殺そうとする事がそんなにおかしいか?」
「―――!!!」
そうだ…
何もおかしな所は無い
虚と融合してたとはいえ海燕殿を殺したのは事実なのだから
「俺に殺される覚悟はあるか?」
「ぇ……」
「自分が殺した相手に命を差し出す覚悟があるかと聞いているんだ」
「あります」
ルキアは覚悟を見据えた目で海燕に応える
「海燕殿が私を斬ることで気持ちが晴れるのなら喜んでこの命捧げましょう
ですが…まだそれは出来ません。私はこの虚圏にサラを、仲間を助けに来ております
サラを助けるまでは海燕殿が何と申されようともこの命差し出す訳にはまいりません」
暫しの沈黙の後、海燕が口を開く
「冗談、冗談だよ。言ったろ?お前にしかこなせねぇ事があるんだお前が本当に俺に償いをしてぇと思っているならやってもらいたい事があるんだ」
「……やってもらいたい事?」
「あぁ…お前の仲間全員の首を持ってこい。そうすりゃお前のした事なんて水に流してやるよ♪
これで命の償いが出来るなら安いもんだろ。な?」