第34章 ~拾陸半~INVADE2
ギンは笑みを浮かべると椅子から立ち上がった
「今日は何や甘えたさんやねぇ?ボク嫌われたかと思っとったから嬉しいわ」
サラの頭をポンポンと撫でると手を握った
「なら行こか?」
サラは手を振り払う事なくコクリと頷いた
ギンに手を引かれ自室へと戻ってくる
「また分からへんようなったら言いや?」
「ごめんね…」
「何が?ボク謝られる様なコトされてへんけど」
惚けてみせるギンに少しだけサラの表情が柔らかくなる
「もう少しサラちゃんと居りたいんやけどまだ仕事あんねんボク」
「ごめっ……」
咄嗟に謝ろうとしたサラは慌てて口を手で塞ぐ
ギンは笑うと頭を撫でて踵を返した
「あ…ありがとギン」
その言葉にギンは振り返る事なく手を振った
そして暫く歩いて立ち止まる
「さぁて…そろそろやな」
ギンは妖しい笑みを浮かべるとある場所へと向かい歩き出した