第34章 ~拾陸半~INVADE2
ギンは一人 監視室にいた
そして机上にある図式を触っていると後ろから声がかかる
「何者かが十刃の宮に侵入したそうです」
振り向くと其処にはウルキオラが立っていた
「何やぁ珍しいねボクに話しかけるやなんて。君ボクの事キライなんとちゃうの?」
「…まさか」
「そうなん?そやったらもうちょい仲良うしてぇな。ルピ君死んでしもて淋しいねんボク。あの子とはよぅ話おうてたのに…」
ウルキオラはギンを一瞥すると机上に目を向ける
「…これは」
「あぁ、エエやろ?」
「回廊操作を?」
それはルキアのいた道がアーロニーロの宮に繋がるように操作されている
「イヤやなぁ、してへんよ?そんな意地の悪い事。それにボク…悲しい話キライやし」
笑みを貼り付けるギンはウルキオラにも意図が読み取れなかった
ウルキオラは頭を下げると部屋を出ていった
暫くして近付く霊圧にギンは机上を片付けた
すると扉が開きサラが現れる
「サラちゃんやないの。どないしたん?ボクに会いに来てくれたんやったら嬉しいなぁ」
「……廊下の配置が変わってて…」
「あぁ、侵入者がおるから色んなトコ変えてもうたんやろねぇ」
変えたのは自分だがギンは白々しく応える
「…部屋に戻りたいの」
微かに影を落とし俯いたサラがポツリと呟く
「ん?部屋の場所は変わってへんよ?」
「戻れない…」
「戻られへんの?サラちゃんやったら迷わんと……」
あぁ…そういうこと…
ギンはサラの言わんとする事を理解した
霊圧探査が得意なサラなら一度行った場所なら霊圧の名残を感じて一人でも行ける
でもそれが出来ない
それをしないという事は…
サラちゃんやったら霊圧を探ると知りたない霊圧も感じてまう
知りたくないんやね…
あの子らの霊圧を
戦いの中 弱なってく霊圧を――