第34章 ~拾陸半~INVADE2
アーロニーロの能力とは知らないルキアは海燕と瓜二つの姿に言葉を失った
「そんな…海燕殿……返事を、返事をして下さい!!本当に海燕殿なのですか!?」
海燕は死んだ筈だ
頭では分かっているのに目の前に突如として現れた人物にルキアは困惑した
「…あぁ…久しぶりだなぁ朽木!!」
「………海燕殿」
「何だよ、なんつー顔してんだ?皆大好き海燕副隊長が生きてて嬉しくないのかよ?」
「………」
黙っているルキア近寄ると海燕は頭を撫でる
「こんな所に来るってこたぁお前も強くなったみたいだな」
「―――!!!海燕殿…」
「どうにか信じてもらえたみたいだな」
海燕は笑うと此処までの経緯を話し始めた
「虚圏て再構築された俺の霊体は俺の姿になり記憶さえも失わなかった。まぁ俺の力が藍染や連中を上回ったんだろうな♪」
「真面目な話では無かったのですかι」
「ともかく俺は十刃の一人と擦り変わり藍染を討つ期を狙っていたんだ」
そして海燕は真面目な顔に変わる
「此処に来たのが朽木で良かった…今から話す作戦は恐らくお前以外のヤツにはこなせねぇ」
ルキアは思わず息を呑んだ
「あの…海燕殿」
「何だ」
「サラは…サラには逢われたのですか?」
「あぁ…一応手厚く扱われているが藍染がいやに執着しててな、藍染といない時は世話係として市丸が付いている。十刃もいるし逃がすのは難しいな」
「そうですか…」
「でも隙をついて俺の正体は明かした。サラのヤツ喜んでたぜぇ?」
「…笑っていたのですか?」
「おぅ!!もー満面の笑みでな。その顔があんまりにも可愛過ぎてキスしちまったくれえだし」
「なっ///…でも良かった。私はサラが泣いてばかりいると思っていました。だから一時でも笑顔になれたのなら…」
「お前ら仲良かったもんなぁ…よし、サラを助ける為にも作戦話すぞ。場所を移す、付いてこい」
「はいっ!!」
ルキアが駆け寄ってくる
海燕はその姿に妖しく口端を上げるといきなりルキアに斬魄刀を振り上げた
咄嗟に後退するも頬からは血が流れ出す
「…何だ…思った以上に腕を上げたんだなぁ…朽木」
「――――!!!!?」