第34章 ~拾陸半~INVADE2
「いつまでも死んだ副官に捉わってちゃだめだって今日も言われたところだ。まあ、先生の仰られることは尤もなことだからな」
「で?やっぱり副官はつけないの?いい加減海燕君を知らない世代も少しずつ増えてきてるんだろう?」
「まあな。だが感じるんだ…あいつの存在をこの十三番隊に
あいつは確かに死んだ。俺もあいつの死をこの目で見届けた。だが感じるんだよ。この隊舎にあいつの気配を…
あいつの言葉は、あいつの存在はまだ俺たちの中で生きている」
「なるほどねぇ…」
「不思議だな、正直ひょっこりあいつがまた戻ってくるんじゃないかと思う時がある。何処かで本当に生きてるんじゃないかと思う時が...
虚圏は危険なところだ。朽木が生きて戻る確率の方が低いことは俺も承知している」
「けどどっか余裕だねえ?」
「あいつが…海燕が朽木を見守ってやってる気がするんだ。あいつの魂はまだ生きてる。その気配を感じるんだ
それにハルカに言われたんだ、此処は海燕の場所だって…だから俺は今のところ副隊長を選ぶつもりはない」
「やれやれ、じゃ海燕君に頼みますかねえ
ルキアちゃんを無事尸魂界に帰してくれるように、サラちゃんが戻ってこれるように」
「ああ...」
死者の魂は滅びることなく
生者の魂の裡に生き続ける