第34章 ~拾陸半~INVADE2
廊下を歩いていると壁に凭れるグリムジョーと出くわす
私が横を通り過ぎようとした時、グリムジョーが口を開く
「侵入者、あの死神らしいな」
「………」
「たったあんだけの人数でご苦労なこった」
私は頭痛がして早く部屋に戻りたかった。だがグリムジョーの話から背けない
「ヤツらバラけたみてぇだが…死ぬなこりゃ」
その言葉に頭痛が増す。笑うグリムジョーに苛つき思考が定まらない
「テメーを助けに来たのが運のツキだ。あの死神はオレに殺されて終いだ」
その瞬間、頭が真っ白になり私は自分でも考えられないような行動に出る
「グリムジョー…何か勘違いをしているみたいね
殺傷<能力>が高いということは 殺傷<意識>が高い事と同じではないのよ」
「…どういう事だ」
「…貴方どうして数字を治させたの?」
「あ?」
「無理に十刃になる必要はない。唯の数字持ち(ヌメロス)でいてもいいのにわざわざ治させた」
「……あんなヤツがでしゃばってんのがムカついたんだよ」
「貴方の恐怖は誰にも意識を払われぬ事…常にだれかに意識されたい。それも一番に...
貴方は誰かにとって一番印象づけられるような存在であるためにあらゆる努力をする
少なくとも表面上はどの十刃も従順な態度を見せる…その中で一人反抗的な態度を取ることにより自分に注意が向けられることを意識しているのよ」
「…何が言いてぇ」
一度発した言葉は止まる事なく口から零れる