第33章 ~拾陸~INVADE
ボクは他人と接するのが好きや。他人と接すると自分がどう見えてるんか相手が教えてくれる
向こうが警戒してんなら自分が危険だと認識されてるという事やし、顔赤らめてテレてんやったら自分が憧れの対象として見えているということや
ボクは自分でいうのもなんやけど好奇心旺盛で無類の悪戯好きでな、どっちかというと好意的な反応を示すものよりも嫌悪を滲ませるの方が好きなんや
もっと言えば自分を嫌っていて尚且つ強い人が好き
理由は探すのがより楽しめるから
何を探すのか
言わずと知れた“弱点"を探すんや。どんな強い者もどっかに弱点というものを持ってはる
要は正義と平和ばっか口にしてはるけど、どの状態の事を意味しているのかボクにも分からへん
余裕がなくて杓子定規…悪いけど苛める気も起きひん。自己崩壊型やからな
面白いのは藍染サンや
あの人は筋金入りの猫かぶり。穏やかで優しく面倒見がよく、尚且つ聡明といわれてはったけど本性はどうだか知れたもんではない
少なくとも冷酷かつ計算高いことでは共通しているやろ
まあ言うならその化けの皮を自分で脱ぐならともかく他人によって外されるのは流石のあの人も屈辱となるやろうなぁ
もっともその後は怖そうやけど
誰にでも弱点というものがあるこれがボクの持論
強ければ強いほどその弱点を上手く隠しはるし、一見完璧に見える者にも必ず弱点はある
見えていないだけ
何故ならそれはほんの小さな<点>なんやから
弱点に対になる言葉は無い
強みは面で構成されるもんやからな
人間観察は面白い
その隠された点を眺めながら見つけ出して行く
見つけた点は<斬る>んやない。折角の点なんやからそこを<突いて>こそ意味がある
人ほど見てて飽きんものは無いし、ちょっとした仕草がボクに多くの事を教えてくれる
せやから今回はサラちゃんに意地悪してみたんやけど…
もちろん侵入者の皆をイジめるんも忘れんで
女の子やったらちょっと突っつくだけですぐ崩れるんやけどサラちゃんはそうじゃない
それでも弱々しくなった標的にいつもやったら気持ちがスッキリすんのになんやモヤモヤする
強い相手をせっかく突ったのに…
「オカシイなぁ…何でやろ?」
自分のコトはさっぱりや