第33章 ~拾陸~INVADE
集会を終えたギンはサラの部屋へと足を運ぶ
中へ入るとサラは先程と変わらぬ体勢で踞っていた
「あーあー…血ィ出てるやないの」
ギンは奥から新しい上着と包帯を持ってくるとサラの前にしゃがみ、上着を脱がせた
腕は痛々しいくらい赤くなり血が滲んでいる
ギンはそこに包帯を巻こうと手をかけるがサラに押し戻される
「……どうせ自分で手当せんやろ?そんままやとボクも心配や ええから委せとき」
ギンは有無を言わせず包帯を巻くと上着を着せた
「地底路やられて門番も倒されてもうたみたいやね」
「………」
「まだ城には侵入してへんから手は出さへんよ?藍染サンは十刃に自宮で待機て言うてはったし」
黙ったまま此方を見ようともしないサラにギンは突如こう告げる
「…会わせたろか?」
その言葉に初めてサラが目線を上げる
「会いたいやろ?サラちゃんが会いたいならボクが会わせてあげよか?」
「……どういう事?」
怪訝そうに眉を潜めるサラにギンはニヤリと笑みを貼り付ける
「知りたかったらついといで」
ギンはそう言うと部屋を出ていった。サラはギンの意図が解らず躊躇するも後を追いかけた