第33章 ~拾陸~INVADE
「たわけ!!」
予想もしていなかった二人の行動に一護は頭に疑問符が飛ぶ
「何故、勝手に虚圏へ入った!何故私が戻るのを待てなかった!?」
強制的に連れて行かれたのを目の当たりにしてしまった一護はルキア達が戻って来れるなど思っていなかった
「だってあのまま戻って来られるなんて思わなかったし――」
「必ず戻る!!どんな手を使ってもだ!!…私も恋次も最初からそのつもりだった
何故貴様はそれを待てぬ?何故貴様はそれを信じられぬ?我々は仲間だろう、一護」
「……あぁ…そうだな」
ルキアは笑みを浮かべると分かっていればいいと歩きだした
「こんな下らぬ事私の口から確認させるな」
一護はルキアの背に笑みを返すと全員で虚夜宮に向かい走り出した
「…そういやそのマントどうした?どっかで拾ったのか?」
そう言う一護に言葉を濁しながらルキアが呟く
「これは…虚圏は砂埃が酷いから持っていくようにと渡されたのだ」
「誰に」
「……兄様に//」
一護達はその言葉に開いた口が塞がらない
「じじじじゃあココにお前ら送ったのって白哉かよ!?」
「黒腔を開いたのは浦原さんだけど現世に来れたのは隊長のお陰だ」
「兄様は“私が受けたのはお前等を連れ戻せという命だけだ。連れ戻した後どうしろという命までは受けていない、好きにするがいい"と」
「ぉぉぉお…そっか…あの白哉がなぁ…随分丸くなったもんだ」
「それと…“あんな薄汚い小僧一人で侵入されても虚圏側も困るだろう"と」
「……そうかいι」
「そういじけるな。兄様の本心は自分が行きたかっただろうからな」
「隊長ってのも大変だなって…白哉が来たがった!?」
「口にこそしないがな。だからこそ私らを送って下さったのだ…兄様も貴様同様にサラを愛してらっしゃるから」
「……そうか」
「やけに素直だな?テメーの事だからライバル増えて落ち込むかキレるかすると思ったが」
「そりゃ少しはあるけどよ、サラはそれだけのヤツだから…」
「...そうだな」
「だから早く連れ戻して皆に逢わせてやろうぜ!!」
「「「ああっ!!」」」
一護達は決意を胸に虚夜宮を目指す