第32章 ~拾伍半~NEW WORLD2
部屋に着くとリリネットはスタークに寄っていった
「スターク!!お医者さん連れてきたよ!!」
「…医者?」
スタークは気だるそうに寝そべったまま此方を見る
「…勝手に連れてきていいのか?藍染様に怒られるぞ」
「えっ!?」
「私が連れていってって頼んだから大丈夫よ」
「…そうかい」
「ほらスターク、治してもらいなよ」
「………」
「痛いんでしょ?」
言い訳するのも面倒くさいと思ったのかスタークは上体を起こす
「ほらサラ!!」
私はリリネットに手を引かれてスタークのいるソファに腰を下ろす
「どこが痛いの?」
「………」
スタークは黙って喉元を指差す。私がそこに手を翳すと温かい光が溢れる
「それが死神の治癒霊力?凄いね~」
「リリネット、これ少し時間掛かるけど…」
「そうなの?なら奥にいるから終わったら声掛けてね」
リリネットが奥に行ったのを確認すると、私は手を離した
「……悪ぃな」
「いいえ、リリネットの優しさが嬉しいから…黙ってた貴方もね」
「………」
スタークは黙ったままソファーへ寝そべる
「いつも寝てるの?」
「あぁ…寝ても寝ても足りねぇからな」
「そう...」
「…第一…ヒマで平和な時しか出来ねぇだろ…昼寝なんてよ」
私は目を丸くしてスタークを見つめた
「リリネットはそれが気に入らねぇらしくこうして怒ってばっかだけどよ…寝られるってのは、俺達が平和な証拠だ
焦れたリリネットが俺に悪さするなんてこたぁ可愛いもんだ」
「スターク……貴方は何を恐れているの?」
その言葉にスタークはゆっくりと瞬きをした