第32章 ~拾伍半~NEW WORLD2
「どうして私を探してたの?」
「あたしがスターク殴ったら痛いって騒ぐから治してもらおうと思って。サラってそういう力持ってるんでしょ?」
「ぁ…ごめんね 今斬魄刀ないから使えないの」
「え~!?どうしよ…」
「そんなにヒドイの?」
「全然!!ただちょっとやり過ぎたかなぁって…」
「…なら連れていってくれる?少しなら治せるから」
「うん♪」
リリネットの屈託のない笑顔についほだされて表情が柔らかくなっていく
リリネットは私に色々な話をする。スタークの話は尽きる事無かった
「スタークって第1なんだからもっと偉そうにしてもいいのにさ~全然威厳とかないの!!バラガンの爺ちゃんが出張ってもすんなり遠慮しちゃうし」
「優しいのね」
「そうかな?ただ面倒くさがりのやる気なし男だけど…でも争い事が嫌いなんだ」
「ぇ…?」
破面らしからぬ内容に私は目を丸くする
「そんで独りが嫌い…」
呟く様に話すリリネットは少し悲しそうに笑う
「さっきの…二人で一つってのはね、一つの個体だったのをスタークが無理やり二つに…スターク本体とあたしに分けたんだ
なんかね?いっつも一人になっちゃうから寂しいんだって だから絶対一緒にいられる仲間が欲しくてあたしを作ったって言ってた」
「………」
「だからね、サラは嫌かもしんないけどスタークは仲間が出来て嬉しいんだ。スタークが嬉しいとあたしも嬉しい」
「そっか…リリネットは優しいわね」
「そ…そっかな?」
「だって私の事も考えてくれてる。嫌じゃないよ…ありがとね」
私はリリネットの頭を撫でた
「…笑った!!」
「え?」
「初めて笑ったの見た!!サラは笑ってる方がいいよ絶対♪」
自分の表情の変化に気付かなかった。こんな真っ直ぐな破面もいるのか
ニコニコと笑うリリネットに今度は自分から笑みを浮かべるのだった