第32章 ~拾伍半~NEW WORLD2
「スタークーーー!!!」
部屋中に大声が響く。その直後、ソファーで項垂れているスタークの鳩尾に強烈なパンチが入る
入れた本人は顔を上げ腹を押さえるスタークの口に更に拳を繰り出した
「がっ…!!」
めりこんだパンチはかなり効いたらしくスタークはよろよろと踞る
「…いってえな……」
「第一刃が何言ってんの、寝てばっかいるスタークが悪いんじゃん!!」
スタークはだるそうに自分の片割れであるリリネットを見る
そしてわざと咳き込みだす
「えっ?ウソそんな強く殴ってないよ!?」
「…イテェ…」
「わーー!!!どうしよ…待っててスターク!!!」
一際大声で叫ぶとリリネットは走って出て行ってしまった
扉が閉まると同時に起き上がったスタークは、閉まった扉に目もくれずそのままソファーに倒れ込んだ
久々に訪れた静けさにもう一度ソファーに身体を沈め目を閉じた
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突然私の部屋の扉が開けられ破面の少女が駆け込んで来た
私は驚いて声も出さずにいると少女は私の手を掴んだ
「サラだよね?ねぇ一緒に来て!!」
「ぇ…あの…」
訳も解らず引っ張られるままに私は少女に付いていった
そして少女も少し落ち着いたのか長い道のりを並んで歩き出す
「いきなりゴメンね?あたし第1十刃のリリネット、リリネット・ジンジャーバック」
「…第1?」
「そう、スタークとあたしは二人で一つなんだ」
「?…そうなの…」
「やっぱり見えないよね…皆にもスタークの従属官だって思われてるし」
リリネットは少し悲しい顔をする
「…そんなの気にする必要ないわ。二人で一つなんでしょ?」
サラの優しい表情にリリネットは笑みを見せた