第32章 ~拾伍半~NEW WORLD2
抵抗することなく、大人しく腕の中に納まるサラがこの上なく愛おしい
口付けながら抱えた身体をゆっくりと寝台に沈める
肩紐を下ろすと現れる白く豊かな胸、絹のように肌理の細かな肌は吸い付くように馴染む
堪能するように唇を這わせ強く吸い、浮出る紅い痕を確かめる
首筋に歯を立てると今まで声を出すまいと勤めていたサラが小さく声を上げた
「……っ……ぁぁ…」
腕の中のサラの全てが官能を刺激する色を含んでいるというのに
「…恥ずかしがらなくていい…」
脚を開くのを若干躊躇するような態度が初々しく藍染の欲を殊更掻き立てた
ただどれだけ淫らに乱れてもサラのしとやかさは消えなかった
恥じらう姿態も、嬌声も、彼女をより一層引き立てるだけだった
「いくよ…」
解し貫くとサラは背中にしがみついてくる
「は...ぁ...っぁいぜ..さ..」
「サラ...力を抜きなさい..」
額に口付ける。サラの中は其処から解け合って一つに成って仕舞いそうな程熱くて
「フッ…凄いな」
二人は共に高みに昇り同時に爆ぜた
サラは本当に頭がいい
私の言葉を、意図を、正しく理解する
サラに耳打ちした言葉にどう出るのか
来れば趣の褥に
来なければ解らせるまで執拗な責めを
どちらにしろ私にとっては戯れだがサラは期待以上のものを寄越してきた
平素なら私相手に脚を開く事に躊躇したり、しがみ付いてくるという可愛い事をする事は無いだろう
全く、役者だな
本当に
飽きない
サラは無表情のまま天井を見つめていた
私は涙を流すべき存在ではない
私は笑うべき存在ではない
私に自由などありはしない
それは幻想であり
痛みであるのだ
時が止まりし人の自我を持つ人形だ
サラは静かに目を閉じた