第32章 ~拾伍半~NEW WORLD2
「サラ…」
藍染はサラの白く細い首に手をかけた。その感触は、ひどく儚げで頼りない
「細い首だ…力加減を少しでも間違えれば簡単に折れてしまいそうだな」
藍染はそれを思うと、ゾクゾクとした暗い快感が背筋を這い上がってくるのを感じた
それは歪んだ欲求と狂ったような残虐性
藍染はサラの首にそえていた手に、ぐっと力を入れる
サラは藍染の行動に何の動揺もみせず、ただただ見つめていた
藍染はますます指先に力を込めサラの細い首を締め上げる
「...何故抵抗しない」
「…私の…命はもはや私の物では…ありませんから…」
息も絶え絶えに話すサラの瞳に一切の迷いはなかった
藍染はしばらく黙ってその瞳を見つめていたが、やがてフッと微笑んだ
「じゃあ……君の全てを頂こうか」
藍染はサラを優しく押し倒しより深い口づけをする
舌を這わせ、慈しむような口づけを繰り返した
「さっきの…苦しかったかい?」
「…いいえ」
サラのその答えが真実とは違うことくらい藍染にもわかっている
「すまなかったね…お詫びに優しく抱いてあげよう」
藍染は目を細めサラを見つめる
透けるように白く匂いたつような色香を醸しだして、白い薄絹を纏った身体は倒錯した儚さを孕んでいた
暫し其れを堪能していたかったが、藍染の視線に気付いたのかサラがゆっくりと目線を合わす
藍染を見上げる潤んだ瞳は灯りのせいかはたして意図してのものなのか...
この際どちらでも良い、と腕の中に抱き込んだ