第32章 ~拾伍半~NEW WORLD2
「言うね…」
藍染はくつくつ笑うと私から顔を離した
「サラ…君からしなさい」
その言葉に私は少し目を見開く
「どうやら私は意地悪みたいだからね…君の言う通り少し意地悪しよう」
「……お好きに」
私は頬に手を添えると自ら藍染の唇に唇を重ねる。そして段々と深く重ねていき、離す瞬間に唇を舐め上げた
「…随分と上手いな…誰かに教わったのかい?」
「さぁ…」
サラはそれ以上聴かれたくないのか藍染の首に舌を這わせると白い死覇装に手をかける
だが肩まで下ろした時、ふと手を止めた。左肩にはうっすらと傷痕があり、綺麗な体には不釣り合いでそれを見つめてしまう
「あぁ…これかい?君が付けたんだよ」
私は驚いて藍染を見つめる
「消せない傷ではないが残しているんだ…サラは私にとって忘れられない存在だからね」
「…どういう意味です」
「そのままだ。力も…美しさも…そしてこれから知る体もね」
藍染は耳元で囁くとサラの髪を撫でる
細く柔らかい髪はサラサラと指をすり抜ける
その感触が好ましくて何度も髪を梳いた
サラは嫌がる様子もなく、されるがままになっている
藍染は自らの感情に至極正直に従い、無防備に身体を弛緩させているサラの唇に突然舌を割り込ませた
予想をしていなかった口内に入り込んで来た藍染の熱に驚いて身を固くする
刹那、唇が離れたがすぐに顎を捉えられ再び口付けられた
「んぅ...っ...ぅ」
口付ける角度を変えながら深く侵入してくる藍染の舌に絡め取られ息が出来なくなる
口内を蹂躙され、頭が痺れて思考が鈍くなっていく
藍染は白い肌に吸い寄せられる様に首筋、鎖骨へと唇を滑らせていく
「...ぁ...っ」
サラの意識は未だ朦朧としていて思わず声が上がるのを防げなかった
「随分と感じやすいんだな…益々、そそられる」
妖笑するように口端を上げる藍染は猟奇的に見える
「その白い肌や姿形に感嘆するよ…それでも、やはり美しいと感じるのは変わらない」
稀有の存在だ
そう言う藍染を見つめるサラは固くしていた体から力を抜いた
逃れられない
そう思った