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月に泣く~BLEACH~

第32章 ~拾伍半~NEW WORLD2


会議が終ると藍染は呼びかけて突然、私の腕を取って引き寄せた


驚きの色を僅かに浮かべた顔に、触れるか触れないかの距離で藍染の唇が滑る
頬を辿り、耳元へ二言三言囁いて藍染は手を離した


私は去っていく藍染を見つめながら少しだけ手に力を込めた


反転した月が輝き始めた頃、藍染の部屋を訪れる


「よく来たね…少し待っててくれないか?」


背を向けている藍染は物書きをしていた
その姿は以前の"藍染隊長"を見ている様で…


「…もう眼鏡はなさらないんですね」


「そうだね。あれは視力が悪くない私には頭痛の種だったからね」


藍染は手を止める事なく話す。それを私は黙って見続ける
暫くして書き終わったのか藍染は手を休め振り返る


「サラは以前の私も拒んでいたからどちらでもいいと言うだろうが、昔の私を知る者は声を揃えて言うだろうね」


藍染は立ち上がると私の手を引き、寝台へと座ると自分の膝に座らせた


「…以前の私の方がいいかい?」


「…………」


私の腰に手を回し笑みを浮かべる藍染に、触れられた所から体が冷えていくのが分かった

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