第32章 ~拾伍半~NEW WORLD2
次の日、大きな真白い寝台で眠っているサラに近付く一つの影
それはギンでは無くウルキオラだった。ウルキオラは寝台に近付くと声を掛けた
「おい女、起き…ろ…」
普段からは考えられないくらい無防備に眠っているサラを珍しく思い見つめてしまう
「起きろ…女」
小さく呟かれた声に気付く筈なく、透き通るように白い肌の整った顔の彼女は目を覚まさない
ウルキオラは自分の行動の理由が理解出来ぬまま、ゆっくりとサラに顔を近付けていく
そして自分の唇にサラの唇が触れそうな距離にくるとウルキオラはすっと顔を離した
「…女...サラ起きろ...」
「ん...」
ゆっくりと瞼が動く
未だ夢見心地のとろんとした漆黒の瞳にウルキオラの姿が映る
「会議だ・・お前も来い」
「ん...ウルキオラ...?」
起きたばかりで掠れている声が、思いの他色気があってどきりとする
「市丸の代わりだ」
「そう…」
ゆっくり瞬きをした後、サラは上体を起こす
「自分で来れるな」
「...ええ、直ぐ着替えて行くから先に行って?」
襟元が乱れた服を繕いもせず湯殿へ消えていく後姿は情事の後のようで艶っぽかった
一人取り残されたウルキオラは胸上に腕を組み目を閉じた
感情など何も持たない自分の行動が理解出来ない
自分に虫酸が走る
湯殿から聞こえる水音に暫し耳を傾け部屋を後にした