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月に泣く~BLEACH~

第31章 ~拾伍~NEW WORLD


「何故そんな顔をしている?お前の好きな海燕だよ?」


「………」


「妻がありながらお前に好意を抱き、小娘からも愛される…随分と好色だね」


「…やめて」


「だから藍染様に利用されるんだ。この男に相応しい末路だね」


「――――!!!」


その瞬間、サラは自分の意思なのか発作的行動なのか手を降り翳した


だがそれは奇しくもある人物によって阻まれる


「アカンよサラちゃん…」


「……ギン!!」


現れたギンは私の手首を掴んでいる


「市丸か…」


「…離して…もう平気だから」


サラの微かに聞き取れるくらいの声にギンが手を離すと、サラはその場を走り去った


「……アーロニーロ、自分何でその姿なん?」


「君には関係ないよ」


「えらい嫌われようやなぁ?…まぁええけど...気付いてたん?」


「…何をだよ」


「ボクが止めへんかったら君、今頃死んでたんやけど…」


その言葉にアーロニーロはピクリと反応する。海燕の姿ゆえ感情が判りやすく額から汗が流れていた


「今回はボクの気まぐれ…あんま悪さしてはると足元掬われんで?…あの子は藍染様のお気に入りなんやから」


ギンはニヤリと笑うと踵を返して出ていった


「……フンッ」


アーロニーロは元の姿に戻ると面を被り暗闇へと消えていった


私は部屋に戻り寝台へと顔を埋めた


色んな想いが交錯して頭痛がする


私は自分の手を見つめる。アーロニーロを殺めようとした手は微かに震えており、手首は少し赤くなっていた


ギンが掴んでくれなければ今頃…


私は敷布を握りしめると重たい体を預けた

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