• テキストサイズ

月に泣く~BLEACH~

第31章 ~拾伍~NEW WORLD


真の姿を見せたアーロニーロは私の次の言葉を悟る様に話す


「顔ノ事ナラ黙ッテナヨ。僕ラ、コノ顔ノ感想ナラトウノ昔ニ聞キ飽キテル」


「……アーロニーロ…どうして海燕の姿を…」


「偶然ノ産物ダッタヨ、霊体融合シタ虚ヲ食ベタラコイツノ記憶ト姿ヲ手ニ入レタンダ
コイツノ記憶ノ中デ、オ前ガ一番多クテネ…ナラ オ前ノ中ニモコイツガ多イト思ッタカラ試シタンダヨ」


「…試す?」


「オ前ニハバレテシマッタガ、他ノ奴ラニハ使エソウダシネ?」


「貴方まさか…」


私はその言葉に最悪の状況を浮かべる


「僕ラノ能力は喰虚(グロトネリア)虚の屍を喰ラウ事デ霊圧と能力ヲ取リ込ム…ダカラギリアンデアリナガラモ…オレは十刃になった」


海燕の姿に変わったアーロニーロはニヤリと妖しい笑みを見せる


「姿も記憶も能力も…オレは志波海燕だろ?」


「…なんて事を……」


「なんて事?お前だってオレと会えて嬉しかっただろ?オレと話せて楽しかっただろ?オレに安定を求めただろう?」


「やめて…あの人と同じ様に話さないで...」


「フフ…話し方も完璧なようだね。これならコイツに近しい者なら易々倒せそうだ」


私は目を見開いて愕然とする


「コイツの顔でコイツの能力で倒す…何とも面白そうだね。例えばコイツを殺した小娘とかね」


私は微かに震える体を抑えようと唇を噛み締める


「そして悲壮の顔を浮かべ絶命した屍を喰らう…考えただけで食欲が湧くね」


アーロニーロは涎をすすると舌で口を舐め回す


その狂気に満ちた行動に自分の中に黒いモノが沸き上がってくる


悲哀
混乱
絶望


私は手のひらを固く握りしめた

/ 721ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp