第31章 ~拾伍~NEW WORLD
「…キツそうだな」
その言葉に私は影を落とす
「私…此処へ来て良かったと思ってます…でも時々頭を過るんです」
私は何の為に此処に居るのか
私の心は何処に在るのか
「何悩んでんだよ。オマエは此処に来た事で心を守ったんだ
人と人との間にある心をな」
「…人との間?」
「オマエの事だ。自分の事はあんまり大事にゃしねーだろ?
けど心はオマエと誰かの間にある。オマエの外に在るんだ」
海燕さんは私の頭をポンポンと叩く
「お前は中にあるモンは大事に出来なくても、外にあるモンは大事にするヤツだ。そうだろ?サラ」
「海燕さん…」
「悩む事なんかねぇよ、オマエが此処に居たいと願う所にお前の心は在る」
「ありがとうございます…」
私は目頭が熱くなり、視線を落とした
「泣くなよ…」
海燕さんは困った様に笑うと瞼に口付けた
そして私をゆっくり押し倒した
「…海燕さん?」
「サラ、オレはお前が好きだ。お前はオレの事好きか?」
「ぇ……」
「お前を見てるとお前もオレの事好きなように見える」
「海燕さん…///」
気持ちを見透かす様に呟いた海燕にサラの顔は一気に紅潮した
海燕はニヤッと笑うとサラの顎を掴み唇を押し付けた