第31章 ~拾伍~NEW WORLD
「どうして…海燕さんが…」
「オレにも分かんねぇんだが気付いたら虚圏に居てよ…今や十刃ってヤツだ」
「そんな…魂魄が虚に食べられたというの…?」
「そうなるのかねぇ~?ま、でもオレはこうして自我保ってるしそんな不便じゃねぇんだ…まぁオマエらの敵になっちまうけどな」
「海燕さん…」
「まさか藍染が裏切るなんてよ…今やオレの上官だもんな」
海燕さんは困った様に笑った
「…こんなオレ 非情だろ?」
「ぇ……」
「死神として生きたオレが今や死神と反する虚側にいる」
そう言って私を見る海燕さんに私は悲しそうに首を横に降った
「…ありがとな」
海燕はヘラッと笑うと私の腰元を見た
「…斬魄刀取られたのか?」
私は黙って頷いた
「そうか。お前いっつも大事にしてたもんな~?まぁ藍染がお前の力を重宝してるのは事実だし斬魄刀もすぐ返してくれんだろ」
「…変わってませんね」
「ん?」
「その真っ直ぐで過去を振り返らない所」
「そうか?周りからは軽いって言われてたけど」
「いいえ…凄く憧れます。私は振り返ってばかりだから」
「オレが知ってる限りではそんな事ないと思うけど」
「そんな事ないです。私は人には偉そうなこと言うのに自分の事には揺らいでばっかりで」
笑って話すサラの表情は何かを堪えていて、今にも消えそうな儚さを含んでいた