第31章 ~拾伍~NEW WORLD
いつもの様に会合が開かれ、終わると同時に十刃は自らの宮へ帰っていく
馴れ合わない十刃は会話を交わす事なく私に話しかける人物もいなかった
だが今日は違った。私が部屋を出ようとすると、声を掛けられる
「アーロニーロ…」
「ちょっと君に話があるんだが…いいかい?」
「...構わないけど」
私はアーロニーロに連れられるまま自身の宮に連れて来られる
「…話って何?」
「そんなに焦らなくても…時間はたくさんあるだろう?」
「…そうね」
私がアーロニーロの横に座ると突然、アーロニーロが笑い出す
「...?」
「ホントお前は変わんねぇな~?素直でさ」
「…アーロニーロ?」
「ああ、こんな面着けてたら分かんねぇよな?」
アーロニーロはいつも着けている面を外す
その姿に私は言葉を失った
その姿は自分の知っている人物…そして二度と逢うことは出来ない人物
「おいおい…感想無しかよ」
笑うその顔に私はゆっくりと言葉を紡いだ
「……かい…え…ん…」
その姿は紛れもなく私の上司であった志波海燕
思考が付いていかない
「正解♪久しぶりだなサラ」
「嘘…」
「嘘なんかじゃねーよ。どっからどうみてもオレだろーが」
「でも…ホントに――」
「あー?まだ疑うのかよ…ほらっ」
そう言うと海燕は私を抱き締めた
その温もり、香りに懐かしさを感じる
「…信じたかよ」
「海…燕さん…」
海燕さんは笑うと体を離し、私の頭をぐしゃぐしゃと撫でた