第31章 ~拾伍~NEW WORLD
そんな私の様子をジッと見つめながら藍染は話す
「誰も気付かない…いや気付く事が出来ない事象に君だけは気付いた。そして時には私を上回った それが今君が此処にいる理由だ」
「………」
「初めて君を見た時から思っていたよ 君は力を隠している…それから君を見ていると案の定、隊長にまで上り詰めた
力だけでなく文武の才もあり、そして何より…人の心を見抜く事に長けていた
だから私は人に盗られぬよう、君を囲い込もうとした…だが君はそれを拒んだ。そうだろう?」
私は藍染からの問いに目を逸らした
「気付いていたさ、最初から君が私を無意識のうちに拒んでいたのを…だから二度に渡り君を傷付けたが私の予想を覆し生きていた
それがより一層私の興味をそそる存在になったんだよ?」
その言葉に私は微かに反応する
「サラ…此方へ来なさい」
藍染が手を伸ばして私を促す
私は言われるがままに椅子から立ち上がると、弱々しく藍染の手に触れる
藍染は私の手を引くと、そのまま自分の膝の上に横抱きに座らせた
「結局私は全てが予想内の展開ではつまらないと思っているみたいだ…」
そう言いながら私の髪を掬うと自分の口元に運び口付ける
「サラ…残念だね?君が弱くて愚かで浅はかな女だったら私は欲しいとは思わなかった。美しいだけなら人形で充分だからね…」
そんな私に一瞬悲しみの影が射したのを藍染は見逃さなかった