第31章 ~拾伍~NEW WORLD
次の日、微かな霊圧を感じ部屋を出ると、ギンが手摺に座っていた
「…いつから居たの?」
「さぁ…どれくらいやろ」
「声掛けてくれたらいいのに…」
「怒ってへんの?昨日のコト」
「……ええ」
「そやったらサッサと声掛けたら良かったなぁ…行こか」
昨日のは只の気まぐれだったのか、ギンは飄々としたいつもの感じに戻っていた
私はそんなギンに連れられて藍染の私室前にやって来た
「ありがとう…帰りは一人で戻れるから」
「……迷わんよう気ぃつけて」
ギンは私と一度も目を合わす事なく去っていった
私はいなくなったのを確認すると部屋のドアをノックする
「入りなさい」
中から声がし、中へ入ると椅子に座った藍染が此方に顔を向ける
「返事が無かったから来ないかと思ったよ」
「………」
ふと気付くと奥から破面の女が二人お茶の準備をして現れた
「彼女達は私の従属官でロリとメノリだ。後は私がやろう 」
メ「いえ、藍染様のお手を患わせる訳には…」
「解らないのか?君達に下がれと言っているんだが…」
ロ「申し訳御座いませんすぐに!!」
「それと今日はもう来なくていい。二人の時間を邪魔されなくないからね」
メ「……畏まりました」
ロリとメノリは部屋を出ていく。その時、私を凄い形相で睨み付けていった
彼女達は藍染の事が好きで嫉妬しているんだとぼんやり考えていると、藍染から声がかかる
「いつまでも立っていないで此方に来なさい」
私は黙って対面の椅子に座ると前にカップが置かれる
「紅茶だ 現世にいたから知っているだろう?」
私は手を付ける事なくジッとその紅い液体を見つめていた