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月に泣く~BLEACH~

第31章 ~拾伍~NEW WORLD


中に入るとギンは部屋を物色し始める


「ひゃー豪勢な部屋やねぇ ボクの部屋より凄いわ」


「…何か話があるんでしょ?」


「ん?別にあらへんよ」


「え?」


「ココに一人でいてもつまらんやろ?斬魄刀も取られてもうたんやし」


「ギン…」


どうしてだろう

この人と話してると何事も起きてないような気になる

昔を思い出して気を許してしまいそうになる


ギンは私に近寄ると髪を撫でてきた


「何か前よりキレイになってはるね…好きなヒトでもおるん?」


「……いないわそんな人」


私はギンから離れるとソファに腰を下ろす


「ホンマ?ならええけど…」


私の脳裏に喜助の顔が過る


好きだと
愛してると言ってくれたあの人

私は異性としてあの人の事を好きだったのか

自分が分からない


私は首飾りを握りしめた


「ギン…明日なんだけど…」


「んー?」


「案内して欲しいの…藍染…様の部屋に」


その言葉にギンの口元から笑みが消える


「…何で?」


「呼ばれてるの。場所が分からないから連れていって欲しくて…」


「………かまへんよ」


ギンは暫く黙っていたがそれだけ言うと扉に向かい歩き出す


「ギン?」


私は後を追うようにギンに付いていく


ギンは扉の前で立ち止まり急に振り返ったかと思うと、私の顎をつかみ強引に唇を奪った


「!?」


「…ああ、堪忍なぁ。久しぶりやったから我慢でけへんかった」


私の唇を解放したギンはうっすらと笑うと部屋から出ていった


先程までと違う笑顔は感情が込もっておらず、言葉は淡々としていて


「ギン……?」


私は口づけられた事よりも、そんなギンの二面性に戸惑うのであった

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