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月に泣く~BLEACH~

第31章 ~拾伍~NEW WORLD


長く暗い道を通り虚圏へと足を踏み入れる


辺りは一面、白い砂漠に覆われて石英で出来た様な枯れた木が生えていて、現世では朝だったにも関わらず其所は夜。反転した月が輝き砂漠をより白く輝かせていた


「此処にも月はあるのね…」


ポツリと呟いたサラにウルキオラが口を開く


「…此方だ。此処が虚夜宮(ラスノーチェス)、我々破面達が棲む城だ。藍染様も此処に居られる」


その建物は距離感が失われそうなほど巨大で城と言うより一つの小国の様だった


ウルキオラの後に続きながら長い廊下を進んでいく


「壁面にはカメラが仕掛けてあり常に内部を監視している。
廊下の配置を予告無しに組み換えることもある。勝手に出歩かない方が身のためだ」


「………」


そして一つの部屋の前に着くとギギギと重厚な音がして扉が開く


「入れ」


サラが中へ入ると破面が顔を列ねていた


(十刃…)


「この女…ウルキオラあの人間の女はどうした」


「命令が変わった。あの女は来ない」


「ちょっと~…このお姉さんって映像で見た人だよね?命令が変わったって僕達…ムダ足だったってコト?」


ルピがこの前の任務を思い出して眉を寄せる


「そう言うな。命令変更などよくある」


そんな中、一人の十刃がサラの前に歩み寄る


「おい、テメェが藍染様のお気に入りか」


長身で長い黒髪の男ノイトラが舐め回す様にサラの全身を凝視する


「成る程な…確かにいいモン持ってんじゃねぇの。寵愛を受けにやって来たってか?」


そう言うノイトラは妖しい笑みを浮かべる


そんなノイトラにサラは表情一つ変える事無く見向きもしない


「ノイトラ…この女は能力を買って連れて来た。確かに藍染様が気にかけてはいるが――」


「テメェにゃ聴いてねーよウルキオラ」

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