第30章 ~拾柶半~GOOD-BYE2
「…山本総隊長、それではこれより日番谷先遣隊が……六番隊副隊長 阿散井恋次 反逆の徒ハルカサラの目を覚まさせる為 虚圏へ向かいます」
「恋次!」
「ならぬ」
山本の重い否定の声が発せられた
恋「!!」
「破面側の戦闘準備が整っておると判明した以上 日番谷先遣隊は全名即時帰還し、尸魂界の守護についてもらう」
ル「それはサラを見捨てろということですか!?」
「……一人の命と世界の全て秤に掛ける迄も無い」
「…申し訳ありません総隊長。その命令には従いかねます」
真っ直ぐ山本を見た冬獅郎に皆も頷く
「やはりな…手を打っておいて良かった」
そう言うのと同時に、皆の背後に扉が出現し六番隊隊長 朽木白哉と十一番隊隊長 更木剣八が現れた
恋「隊長!?」
剣「そういう訳だ…戻れオマエら」
白「手向かうな 力づくでも連れ戻せと命を受けている」
そういわれた以上、先遣隊は従うしかなかった
「…わかった。尸魂界に力を貸してくれとは言わねぇ。せめて虚圏への入り方を教えてくれ サラはオレ達の仲間だ。オレが一人で助けに行く」
ル「一護…」
俯いていた一護が山本に目を向けた
「ならぬ」
だが一護のそれさえも山本は許さなかった
「何…だと…?」
「御主の力はこの戦いに必要じゃ 勝手な行動も犬死も許さぬ 命があるまで待機せよ!! 以上じゃ」
それだけ言うと通信は切れた
「一護…済まぬ」
最後に残されたルキアを恋次が促す。ルキアの声に一護は振り向かなかった
扉が閉まりシンと静まり返った部屋で、一護は唇を噛み締めて俯いた。そして部屋を飛び出すと浦原商店へと向かって駆け出した